日本の帽子ブランド一覧

日本の帽子ブランド一覧|職人の技術と美意識が光る国内ハットブランド

 

日本は、実は帽子先進国だ。帽子人口こそ多くないが、おしゃれとして帽子を楽しむ文化が根付いており、その需要に応えるように、高い技術力と独自の美意識を持つ帽子ブランドが数多く存在する。

大量生産のインポートブランドとは一線を画す、素材選びから仕上げまでこだわり抜いた「日本のものづくり」が詰まった帽子たちです。

この記事では、日本を代表する帽子専門ブランドをまとめました。

海外ブランドとの比較は「世界の帽子ブランド一覧」、帽子の型や形状については「帽子の種類ガイド」もあわせて参考にしてほしい。


日本の帽子ブランドの特徴

日本の帽子ブランドには、海外ブランドとは異なる共通した強みがある。

まず、日本人の頭の形に合わせた設計。欧米の帽子は楕円形の頭を前提に作られているため、日本人がかぶると側頭部が締まりすぎることがある。日本のブランドは丸みのある頭の形に合わせた木型を使うため、長時間かぶっても痛くなりにくい。

次に、素材と仕上げへのこだわり。日本のブランドは天然素材の選定から、縫製、型入れ、最後のささくれ処理まで、一つ一つの工程に手を抜かない。この丁寧さが、かぶったときの心地よさに直結している。

そして、スタイリングとの調和。日本の帽子ブランドは「帽子だけで主張する」のではなく、服装全体の中で帽子が活きるデザインを志向するブランドが多い。洋服に合わせて帽子を選ぶという、日本独自のファッション文化が背景にある。


日本の帽子専門ブランド

KIJIMA TAKAYUKI(キジマ タカユキ)

デザイナー木島隆幸が手がける、日本を代表する帽子ブランド。

前身の「coeur(クール)」として1995年に設立され、2013年に現在の名称に改称。日本のオートクチュールハットの第一人者である平田暁夫氏に師事し、5年間の修業を経て独立した。

「スタイリングの中で生きるデザイン」をコンセプトに、帽子単体で主張するのではなく、服装全体の中で帽子が活きることを最優先にしている。独自の製法による柔らかさが最大の特徴で、「カバンの中にしまっても型崩れしない」帽子を実現。洗えるハットという実用性も備える。

UNDERCOVER、AURALEE、TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST.など国内トップデザイナーとのコラボレーションも多数。コレクションは東京とパリで年2回発表し、代官山と渋谷パルコに直営店を構える。2017年にはハイエンドライン「HIGH LINE」もスタートさせた。

  • 本拠地:東京(代官山にアトリエ)
  • デザイナー:木島隆幸
  • 設立:1995年(coeurとして)/ 2013年(KIJIMA TAKAYUKIに改称)
  • 代表アイテム:フェルトハット、バケットハット、ベレー帽
  • 特徴:アトリエメイドの手作業、洗える帽子、スタイリング重視のデザイン、パリでのコレクション発表

THE H.W.DOG&CO.(ザ エイチダブリュー ドッグ アンド コー)

2015年、デザイナー弦巻史也が立ち上げた東京発の帽子ブランド。1860〜1930年代のアメリカ・ヨーロッパの労働者が着用していた帽子を出発点に、現代の技術と組み合わせたプロダクトを展開する。

ブランドの信念は、男らしさを表す「GENTLEMAN」と、遊び心を意味するスラング「DOG」の融合。大量生産・大量消費の時代にあって、一切の妥協なく一つ一つ丁寧にものづくりを行う姿勢を貫いている。

1930年代以前の高品質なクラフトマンシップと、1940年代以降のミリタリープロダクトの機能性をベースに、ヴィンテージ感がありつつも今の時代に合う帽子を提案。ベレー帽、キャスケット、ベースボールキャップ、ウォッチキャップなど、キャップ類を中心にラインナップが豊富。東京・大阪に直営店を展開し、海外のセレクトショップでも取り扱われている。

  • 本拠地:東京
  • デザイナー:弦巻史也
  • 設立:2015年
  • 代表アイテム:ベレー帽、キャスケット、トラッカーキャップ、ウォッチキャップ
  • 特徴:ヴィンテージワーク×現代技術、「GENTLEMAN + DOG」の哲学、キャップ類の充実

ca4la(カシラ)

「すべてのひとに、最高の帽子を」をコンセプトに掲げる日本の帽子ブランド。メイドインジャパンの技術を活かし、ハット、キャップ、ベレーなど多様なラインナップを展開。デザイン性の高さと取り入れやすさのバランスが強みで、カジュアルスタイルから個性的なファッションまで対応する。

全国に直営店を展開し、実際にかぶって選べる環境を整えている。日本で最も知名度の高い帽子ブランドの一つであり、帽子文化の裾野を広げてきた存在。メンズ・レディース両方に対応。

  • 本拠地:東京
  • 代表アイテム:デザインハット、ベレー帽、キャスケット
  • 特徴:幅広いラインナップ、全国の直営店ネットワーク、知名度の高さ

OVERRIDE(オーバーライド)

日本最大級の帽子セレクトショップであり、オリジナルブランドも展開する帽子専門店。全国の主要な商業施設に店舗を構え、オリジナルからセレクトまで幅広い帽子を取り扱う。ベースボールキャップ、ハンチング、バケットハット、フェドーラなど、あらゆるジャンルの帽子が揃うため、初心者から帽子好きまで幅広い層に対応。店舗数の多さから、実際にかぶって選べるアクセスのしやすさが大きな強み。

  • 本拠地:東京
  • 代表アイテム:オリジナルキャップ、セレクトハット全般
  • 特徴:日本最大級の帽子セレクトショップ、全国に店舗展開、オリジナル+セレクトの二軸

Nine Tailor(ナインテイラー)

「シンプルで使い込むほど馴染んでいく、細部にも気を配った帽子」を作る日本の帽子ブランド。目黒区青葉台にショップを構える。ブランド名はイギリスの諺「Nine Tailors make a man(一人前になるには9つの仕立屋が必要)」から引用されており、ジャケット、シャツ、パンツ、靴……と、その日のスタイリングの「9番目の仕上げ」として帽子を使ってほしいという想いが込められている。

日本製にこだわり、帽子職人や生産工場と綿密に打ち合わせを行いながら1点ずつ製作。リネンやコットンなどの天然素材を活かしたクリーンなデザインが特徴で、シンプルな中に計算されたクラウンの深さやつばのバランスが光る。メンズ・レディース兼用で使えるアイテムが多い。

  • 本拠地:東京・目黒区青葉台
  • 代表アイテム:リネンハット、6パネルキャップ、バケットハット
  • 特徴:日本製へのこだわり、スタイリングの「9番目の仕上げ」というコンセプト、シンプルで計算されたシルエット

THE FAT HATTER(ザ ファットハッター)

菊地章仁が「HAT MAKES A MAN(ハットは男を仕立てる)」をコンセプトに2008年に立ち上げた帽子ブランド。2016年に原宿キャットストリートにアトリエ兼ショップをオープン。日本国産にこだわった帽子づくりを行い、1950年代のハットカルチャーをベースにしたクラシカルな製法で完全ハンドメイドのハットを生み出している。

オリジナルの木型を所有し、デザイナー自らが型入れを行う。素材・サイズ・クラウン・ブリム・高さ・硬さ・リボン・裏地まで、細部にわたるフルオーダーにも対応。ヴィンテージハットのコレクターでもある菊地氏の審美眼が、ブランドのディテールに反映されている。原宿と沖縄に店舗を構える。

  • 本拠地:東京・原宿
  • デザイナー:菊地章仁
  • 設立:2008年(ブランド)/ 2016年(原宿店オープン)
  • 代表アイテム:フェルトハット、パナマハット、フルオーダーハット
  • 特徴:完全ハンドメイド、フルオーダー対応、1950年代ハットカルチャーがベース、自社木型での型入れ

mature ha.(マチュアーハ)

2004年に神戸で高田夫妻が立ち上げた帽子ブランド。「帽子をあたりまえにかぶる生活を知ってほしい、楽しんでほしい」という想いが原点。神戸のアトリエ兼ショップで、夫婦で素材選びからデザインまでを行っている。

無駄な装飾を省いたシンプルなデザインは自由度が高く、形を変えたり、複数のかぶり方ができるのが特徴。代名詞である「BOXED HAT」は2010年に考案されたもので、トップがくしゅくしゅとした独特のフォルムが、浅くかぶっても深くかぶっても様になる。基本的にユニセックスで楽しめるアイテムが中心。2013年から海外展開を開始し、現在は15カ国・約100店舗で取り扱われている。

  • 本拠地:神戸
  • デザイナー:高田夫妻
  • 設立:2004年(帽子店として)/ 2011年(マチュアーハとして)
  • 代表アイテム:BOXED HAT、ラフィアハット、ペーパーハット
  • 特徴:シンプルで自由度の高いデザイン、BOXED HATのアイコン性、15カ国での海外展開

NOL(ノル)

兵庫県相生市に拠点を置く帽子専門メーカー・To.PI工房(トピー工房)が立ち上げたブランド。「NOL」はインドネシア語で「0(ゼロ)」を意味する。「自然と人との調和」「見て楽しいアートのような帽子」をコンセプトに、インドネシア現地の天然素材を使い、染色・手編み・型入れ・飾りつけまでワンストップで製作している。

パンダン草やトキヤ草など東南アジア特有の植物繊維を活かした帽子は、ナチュラルな風合いとアートのような存在感が魅力。日本企画×インドネシア製造という体制で、デザインのよさとかぶり心地のよさを両立させている。ユニセックスで展開。

  • 企画元:To.PI工房(兵庫県相生市)
  • 製造:インドネシア
  • 代表アイテム:パンダン草ハット、カンカン帽、天然草キャスケット
  • 特徴:日本企画×インドネシア製造、天然植物繊維の活用、アート性のあるデザイン

ReqHatter(レックハッター)

福岡を拠点に、メンズのクラシックハットを専門とする帽子ブランド。

「長年被れる飽きのこない帽子」をコンセプトに掲げ、流行に左右されない普遍的なデザインと、日常で実際にかぶれる実用性の両立を追求している。

フラットハットボーターハットポークパイハットワイドブリムハットなど、クラシックな型をベースにしながら、現代のスタイリングに合う帽子を展開。セールは一切行わず、ブランドの価値と価格を一貫して守っている。

「帽子は道具であり、毎日の服に合うものであるべき」という考えから、かぶり心地と汎用性を最優先に設計。ECと卸売の2チャネルで展開し、ブランドの世界観を届けることにこだわっている。


日本の帽子ブランドの選び方

日本の帽子ブランドはそれぞれに明確な個性があります。

自分に合うブランドを見つけるには、以下のような軸で考えるとわかりやすいです。

デザイナーズの帽子を探しているなら → KIJIMA TAKAYUKI。パリでもコレクションを発表する実力派。スタイリングの一部として機能する帽子を求める人に。

ヴィンテージワークの雰囲気が好きなら → THE H.W.DOG&CO.。1930年代のクラフトマンシップとミリタリーの機能性を融合させた、男臭くて遊び心のあるキャップ類が揃う。

幅広い選択肢の中から選びたいなら → ca4la。直営店で実際にかぶって選べる安心感と、ハット・キャップ・ベレーまで網羅するラインナップ。

一生もののハットをオーダーしたいなら → THE FAT HATTER。1950年代のハットカルチャーをベースに、自社木型で一つ一つ手作業で仕上げる完全ハンドメイド。素材からブリム幅まで細部を指定できるフルオーダーにも対応。

クラシックなハットが欲しいなら ReqHatter。フラットハット・ボーターハット・ポークパイなど、クラシックな型を現代のスタイリングに合わせた設計。セールをしない価格の一貫性も信頼できるポイント。

帽子の型ごとの特徴は「帽子の種類ガイド」で、素材別のブランド選びは「フェルトハットブランド一覧」「ストローハットブランド一覧」も参考にしてほしい。


まとめ

日本の帽子ブランドには、それぞれに固有のものづくりの哲学がある。オートクチュールの技術を現代のスタイリングに昇華させたKIJIMA TAKAYUKI、ヴィンテージワークのロマンを帽子に込めるTHE H.W.DOG&CO.、1950年代の完全ハンドメイドを貫くTHE FAT HATTER。

共通しているのは、「かぶる人のことを考えて作っている」ということ。日本の帽子は、かぶり心地、素材の質、そして服との調和——この3つが高い次元で揃っている。海外ブランドの帽子を試す前に、まず日本のブランドを手に取ってみてほしい。きっと発見がある。


ReqHatter(レックハッター)は、福岡を拠点にメンズのクラシックハットを専門とする日本の帽子ブランドです。長年被れる飽きのこない帽子をコンセプトに、フラットハットボーターハットポークパイハットワイドブリムハットなどを展開しています。

 ReqHatter 公式オンラインストア