帽子の種類一覧
帽子の種類一覧|名前・形状・特徴をわかりやすく解説
帽子を買おうとしたとき、最初にぶつかるのが「種類が多すぎて、何がなんだか分からない」という問題だ。フェドーラ、ポークパイ、ボーター——名前を聞いてもピンとこない。でも、形の違いと名前の由来を知れば、帽子選びは一気にシンプルになる。
この記事では、帽子の種類を「ハット」「キャップ」「その他」の3カテゴリに分け、それぞれの形状・名前の由来・特徴を解説する。自分に合う帽子の型を見つける手がかりにしてほしい。
※帽子を選ぶ際の具体的なポイントは「帽子の選び方ガイド」で、ブランドごとの特徴は「世界の帽子ブランド一覧」で詳しく紹介している。
帽子の基本構造:「ハット」と「キャップ」の違い
まず大前提として、帽子は大きく「ハット(Hat)」と「キャップ(Cap)」に分けられる。
ハットは、クラウン(頭頂部)の全周にブリム(つば)がついた帽子の総称。フェドーラ、ボーター、ポークパイなどがこれに当たる。
キャップは、ブリムがないか、前面にバイザー(ひさし)だけがついた帽子。ベースボールキャップ、ハンチング、キャスケットなどがこれに該当する。
この記事では、まずハットの種類を詳しく解説し、その後にキャップ・その他の帽子をまとめている。
ハットの種類
フェドーラ(Fedora)/中折れ帽
帽子の中で最もポピュラーな型の一つ。クラウン(頭頂部)の中央が前後方向に折り込まれ、左右にピンチ(つまみ)が入ったデザインが特徴。ブリム幅は通常5〜8cm程度で、前方に下げたり上げたりとアレンジが効く。
名前の由来は、1882年にフランスの女優サラ・ベルナールが舞台『フェドーラ』で着用したことから。もともとは女性のための帽子だったが、1920年代にイギリスのエドワード皇太子が着用したことで男性にも広まった。フランク・シナトラ、ハンフリー・ボガートなど数々のスターが愛用し、「紳士の帽子」の代名詞となった。
素材はフェルト(ウール・ラビットファー)が伝統的だが、ストローやリネンの春夏モデルも多い。カジュアルからフォーマルまで幅広く使える万能型。
- 別名:中折れ帽、ソフトハット、センタークリース
- ブリム幅:中〜広(約5〜8cm)
- クラウン:センタークリース+左右ピンチ
- フォーマル度:★★★★☆
ワイドブリムハット(Wide Brim Hat)
ブリム幅が約8cm以上ある、広いつばを持つハットの総称。日差しからの保護力が高く、存在感のあるシルエットが特徴。フェドーラのワイドブリム版を指すこともあれば、フロッピーハットやサファリハットのように独自の形状を持つものもある。
近年はメンズファッションでもワイドブリムの人気が高まっており、シンプルな服装のアクセントとして取り入れる人が増えている。素材はフェルト、ストロー、コットンなど幅広い。
- ブリム幅:広(約8cm以上)
- クラウン:フェドーラ型、フラット型など多様
- フォーマル度:★★★☆☆
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ポークパイハット(Pork Pie Hat)
クラウンの頂上が平らで、円形のくぼみ(テレスコープクリース)が入った短めのハット。ブリムも短く、全周にわたって上向きに折り返されているのが特徴。名前の由来は、イギリスの伝統料理「ポークパイ」の形に似ていることから。
1940年代にはジャズミュージシャンのレスター・ヤングが愛用し、ジャズ・ブルース文化の象徴になった。近年ではドラマ『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイトがかぶったことで再び注目を浴びた。
フェドーラよりカジュアルでコンパクトな印象。低めのクラウンが顔周りをすっきり見せるため、帽子初心者にも取り入れやすい型。
- 別名:スティンジー
- ブリム幅:狭(約3〜4cm、全周上向き)
- クラウン:低め・平ら・テレスコープクリース
- フォーマル度:★★☆☆☆
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ボーターハット(Boater Hat)/カンカン帽
硬く平らなクラウンと、水平に広がるフラットブリムが特徴のハット。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ボート競技やピクニックなど夏のレジャーで広く着用された。名前の由来は英語の「boater(ボートをこぐ人)」。日本では「カンカン帽」として知られ、名前の由来は硬い素材を叩くと「カンカン」と音がすることから。
伝統的にはセンニット(固く編んだストロー)で作られ、しっかりとした形状を保つ。黒いリボンバンドが定番。フォーマルな装いからカジュアルまで使え、夏場の紳士の帽子として根強い人気がある。近年ではフェルト素材の秋冬版も登場している。
- 別名:カンカン帽、セーラーハット
- ブリム幅:中(約5〜7cm、フラット)
- クラウン:低め・平ら・硬い
- フォーマル度:★★★☆☆
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フラットハット(Flat Hat)
クラウンの頂上がフラット(平ら)に仕上げられたハットの総称。ボーターハットもフラットハットの一種だが、ここではより広義に、平らなクラウンを持つハット全般を指す。ポークパイとの違いは、ブリムの広さと全体のシルエット。フラットハットはブリムがやや広めで、クラウンの天面がしっかりと水平に仕上げられている。
モダンでクリーンな印象を与えるため、シンプルな服装との相性が特に良い。素材はストローからフェルト、ペーパーブレードまで幅広い。
- ブリム幅:中〜広
- クラウン:フラットトップ
- フォーマル度:★★★☆☆
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ボウラーハット(Bowler Hat)/ダービーハット/山高帽
丸くドーム状に仕上げられたクラウンと、左右が上にカールしたブリムが特徴の硬い帽子。1849年にロンドンの帽子店ロック&コーが、狩猟用に安全で丈夫な帽子として開発したのが始まり。帽子職人のウィリアム・ボウラーとトーマス・ボウラー兄弟が製作したことから「ボウラーハット」と名付けられた。
チャーリー・チャップリンのトレードマークとしても広く知られる。イギリスでは「ボウラー」、アメリカでは「ダービー」と呼ばれることが多い。現在ではフォーマルやクラシックなスタイルの象徴として、特にイギリスで根強い人気がある。
- 別名:ダービーハット、山高帽
- ブリム幅:中(左右カールアップ)
- クラウン:丸いドーム型(硬い)
- フォーマル度:★★★★☆
トップハット(Top Hat)/シルクハット
高い円筒形のクラウンと、両端がわずかに反り返ったブリムを持つ、最も格式の高い礼装用ハット。18世紀末にイギリスで生まれ、19世紀を通じて紳士の正装に欠かせない存在だった。日本では「シルクハット」として知られるが、これはかつてシルクプラッシュ(絹起毛素材)で作られていたことに由来する。
現在でも英国ロイヤルアスコットなどのフォーマルイベントでは着用が求められることがある。Christys'が世界で唯一、現在もトップハットを製造し続けているメーカー。
- 別名:シルクハット
- クラウン:高い円筒形
- フォーマル度:★★★★★(最高格式)
パナマハット(Panama Hat)
エクアドル原産のトキヤ草(パハ・トキージャ)を手編みして作られる、軽くて通気性に優れた夏の定番ハット。名前に「パナマ」とあるが、実際の産地はエクアドル。パナマ運河建設時に労働者が着用していたことから、この名前が定着した。
形状はフェドーラ型やボーター型など多様で、「パナマハット」は素材を指す名称であり、特定の形状を指すわけではない。編み目が細かいほど高級とされ、最高級品のモンテクリスティは完成まで数ヶ月を要する。2012年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された。
- 素材:トキヤ草(エクアドル産)
- 形状:フェドーラ型、ボーター型など多様
- フォーマル度:★★★☆☆
- 関連記事 → ストローハットブランド一覧
バケットハット(Bucket Hat)
バケツを逆さにしたような形状の、やわらかい下向きブリムを持つカジュアルなハット。もともとはアイルランドの漁師やアウトドアワーカーが着用していた実用的な帽子。1960年代にモッズカルチャーで注目され、1990年代〜2000年代のストリートファッションで爆発的に広まった。
コットン、ナイロン、デニムなど多様な素材で作られ、折りたたんで持ち運べるものも多い。近年はラグジュアリーブランドからストリートブランドまで幅広く展開されている。
- 別名:サファリハット(広義)
- ブリム幅:中(全周下向き)
- クラウン:やわらかい
- フォーマル度:★☆☆☆☆
ウエスタンハット(Western Hat)/カウボーイハット
高いクラウンと広いブリムを持つ、アメリカ西部のカウボーイ文化を象徴するハット。1865年にジョン・B・ステットソンが作った「Boss of the Plains」が原型とされる。ブリムの両端が上に反り返った独特のシルエットは、日差しや雨から身を守るための実用的なデザインから生まれた。
テンガロンハットとも呼ばれるが、これはスペイン語の「galón(編み紐)」に由来するという説が有力で、実際に10ガロンの水が入るわけではない。
- 別名:カウボーイハット、テンガロンハット
- ブリム幅:広(両端が上に反り返り)
- クラウン:高い
- フォーマル度:★★☆☆☆
- 代表ブランド → Stetson(世界の帽子ブランド一覧)
キャップの種類
ベースボールキャップ(Baseball Cap)
前面にカーブしたバイザー(ひさし)がつき、6枚のパネルで構成されたキャップ。野球選手のユニフォームの一部として誕生し、現在は世界で最も広く着用されている帽子の一つ。New Eraの59FIFTYが代表的。フィッテッド(サイズ固定)とアジャスタブル(調整可能)の2タイプがある。
- 別名:BBキャップ
- フォーマル度:★☆☆☆☆
ハンチング(Hunting Cap)/フラットキャップ(Flat Cap)
前方に短いバイザーがつき、クラウンが前に向かって平たく傾斜したキャップ。イギリスでは「フラットキャップ」、アメリカでは「アイビーキャップ」とも呼ばれる。もともとはイギリスやアイルランドの労働者階級が日常的にかぶっていた帽子で、ツイードやウールで作られることが多い。
Kangolの504が代表的なモデル。カジュアルからスマートカジュアルまで幅広く対応できる。
- 別名:フラットキャップ、アイビーキャップ、鳥打ち帽
- フォーマル度:★★☆☆☆
キャスケット(Casquette)/ニュースボーイキャップ
ハンチングに似ているが、クラウン部分がボリュームを持ちふっくらとした形状が特徴。通常8枚のパネルで構成され、頂点にボタンがついている。「ニュースボーイキャップ」の名は、20世紀初頭にアメリカの新聞売りの少年たちが着用していたことに由来する。
ハンチングよりカジュアルで遊びのある印象。近年はレディースファッションでも人気が高い。
- 別名:ニュースボーイキャップ、ベイカーボーイキャップ
- フォーマル度:★★☆☆☆
ワークキャップ(Work Cap)
浅めのフラットなクラウンに短いバイザーがついたシンプルなキャップ。鉄道員や工場労働者の作業帽がルーツで、実用性を重視した無駄のないデザインが特徴。コットンやデニム素材が多い。
- 別名:レイルロードキャップ
- フォーマル度:★☆☆☆☆
その他の帽子
ベレー帽(Beret)
ブリムを持たない、丸く平たい形状の帽子。フランスやスペインのバスク地方が発祥とされる。ウールやフェルトで作られることが多く、ファッションアイテムとしてだけでなく、軍隊のベレーとしても世界中で使用されている。
- フォーマル度:★★☆☆☆
ニット帽(Beanie / Knit Cap)
ニット素材で編まれた、伸縮性のある帽子。防寒目的が第一だが、カジュアルファッションの定番アイテムでもある。折り返しのあるもの(ワッチキャップ)と、頭にフィットするものがある。
- 別名:ビーニー、ワッチキャップ
- フォーマル度:★☆☆☆☆
帽子の素材による分類
帽子は形状だけでなく、素材によっても大きく性格が変わる。同じフェドーラでも、フェルトとストローではかぶり心地も印象もまったく違う。
フェルト——秋冬の定番素材。ウールフェルト、ラビットファーフェルト、ビーバーフェルトの順に高級になる。保温性・耐久性に優れ、しっかりとした形状を保てる。詳しくは「フェルトハット一覧」を参照。
ストロー(天然草)——春夏の定番素材。パナマ(トキヤ草)、ラフィア、麦わら、シゾールなど種類が多い。軽くて通気性がよく、夏場の快適性は抜群。詳しくは「ストローハット一覧」を参照。
ペーパー(紙素材)——天然草に比べて軽量で手頃な価格。ペーパーブレード、ペーパークロスなど加工法によって質感が異なる。形状の保持力は天然草よりやや劣るが、カジュアルな使い方には十分。
ファブリック(布帛)——コットン、リネン、ウール、ツイードなど。キャップ類やバケットハットに多く使われる。洗濯可能なものも多く、日常使いに向いている。
帽子の種類で迷ったら
これだけ種類がある中で迷うのは当然のこと。最初の一つを選ぶなら、以下のシンプルな基準が参考になる。
きちんと見せたいなら → フェドーラ、ホンブルグ
カジュアルに取り入れたいなら → ポークパイ、バケットハット、ハンチング
夏に使いたいなら → ボーターハット、パナマハット、ストローフェドーラ
シンプルで合わせやすいものなら → フラットハット、ワイドブリムハット
帽子は実際にかぶってみないと分からないことが多い。サイズやかぶり心地の詳しい選び方は「帽子の選び方ガイド」を参考にしてほしい。
まとめ
帽子の種類は多いが、それぞれに明確な形状の違いと歴史がある。フェドーラの汎用性、ボーターの夏らしさ、ポークパイのカジュアルさ、ワイドブリムの存在感——「形を知る」ことは、自分のスタイルに合う帽子を見つけるための最短ルートだ。
この記事が帽子選びの辞書として役に立てば嬉しい。各ブランドの特徴を知りたい方は「世界の帽子ブランド一覧」や「日本の帽子ブランド一覧」もあわせてどうぞ。
ReqHatter(レックハッター)は、福岡を拠点にメンズのクラシックハットを専門とする日本の帽子ブランドです。modern classicをコンセプトに、フラットハット・ボーターハット・ポークパイハット・ワイドブリムハットなどを展開しています。
