対馬の海岸で見た現実
僕の故郷、対馬は、青い海に囲まれた美しい島です。
でも、その海岸線には大量のゴミが打ち上げられていました。
ペットボトル、発泡スチロール、漁具の破片……見渡す限り、海外から流れ着いたプラスチックごみが散乱していたのです。
子どもの頃はきれいだった海が僕が大人になった頃からはゴミばかりの光景に。
「なんでこんなに汚れてるんだろう?」と疑問に思うものの、いつしか慣れてしまっていました。
でも、心のどこかでずっとモヤモヤしていました。
このゴミを何とかできないのか?
そもそも、どうしてこんなに大量のプラスチックが海に流れ着くのか?
そんなことを考えながらも、具体的に自分が何をすればいいのか分からず、ただその現実を受け入れるしかありませんでした。
対馬のゴミ
パタゴニアのフリスビーとの出会い
そんな僕が、最近衝撃を受けたのがパタゴニアの「フライングディスク(フリスビー)」。
なんと、対馬市の海岸線に流れ着いたプラスチックごみを100%原料としたフライングディスクを販売していました。
最初に知ったとき、「えっ、そんなことができるの!?」と驚きました。
だって、僕がずっと目の当たりにしてきた"もやもや"が、遊び道具に生まれ変わるなんて想像もしていなかったから。
フリスビーは、子どもから大人まで気軽に楽しめるアイテム。
海辺や公園で飛ばして遊ぶたびに、「これ、もとは海のゴミだったんだよな……」と考えさせられる。
こういう形で環境問題を身近に感じられるプロダクトって、本当にすごいと思う。
環境問題と遊びの可能性
正直、環境問題って「大事だと分かっているけど、何をすればいいのか分からない」という人も多いはず。
でも、こうやって「遊び」を通じて問題提起できるのは、すごく良い方法だと感じました。
僕自身、対馬の海岸で見た光景は忘れられないし、今でも考え続けています。
でも、このフリスビーのように「新しい視点」で問題を解決するアイデアがあれば、未来は変えられるのかもしれない。
このフリスビーがもっと広まれば、遊びながら環境意識を高める人も増えるはず。僕もこれを使って、友達に「実はこれ、海のゴミからできてるんだよ」と話してみたいと思う。
自分ができること 帽子作りを通じて、環境を守る。
パタゴニアのこの取り組みに感動した僕は、改めて「自分にできることは何か?」を考えるようになりました。
対馬の海岸に打ち上げられるゴミは、個人の力だけではなくせないかもしれない。
でも、こうしたアイデアが広まれば少しずつ状況は変わっていくかもしれない。
ファッション業界は、次々と新しいトレンドを生み出し、その裏で大量の衣類が廃棄されています。流行を追うことよりも、大切なのは「長く愛されるものを作ること」。
私たちは、耐久性のあるレザーや上質な素材を使い、時間とともに味わいが増す帽子作りを大切にしています。使うほどに馴染み、手入れをすれば何年、何十年と愛用できる。そんな帽子こそが、本当に価値のある一品だと信じています。
環境に配慮しながら、長く使えるものを生み出すこと。それが、帽子作りを通じて私たちが目指す未来です。