帽子にはさまざまな素材が使われていますが、その中でも「サーモハット」は独特の製法で作られています。
軽さと通気性を兼ね備えたこの帽子は、クラシックなシルエットを保ちながら、快適なかぶり心地を実現するのが特徴です。
今回は、サーモハットがどのようにして作られるのか、その工程をご紹介します。
1. サーモ素材とは?
サーモハットに使われる「サーモ素材」とは、特殊な合成繊維を熱で固めたものです。
通常のフェルトやストロー素材とは異なり、熱を加えることで形を保持する性質を持ちます。
そのため、繊細なデザインやしっかりとしたフォルムを作りやすく、かつ軽量で通気性が良いのが特徴です。
2. 素材の形成
サーモハットの製造工程は、まず特殊な合成繊維を編み込むところから始まります。
この繊維は、熱を加えることで硬化する特性を持っています。
編み上げた素材はまだ柔らかい状態なので、ここから成形の工程へと進みます。
3. 成形(モールド加工)— 2回の修正を経て完成へ
編み込まれたサーモ素材を、帽子の形をした金型(モールド)にセットし、熱と圧力を加えて成形します。
ここでサーモ素材が硬化し、しっかりとしたフォルムが作られます。
しかし、この工程がサーモハットならではの難しさを伴う部分でもあります。
最初の成形では、クラウン部分に想定よりも歪みが生じてしまい、帯の位置や全体のバランスが崩れてしまいました。
熱のかけ方や圧力の加減を見直し、もう一度モールドにセットし直して修正。
しかし、2回目の成形では、つばの部分が均等に硬化せず、一部が波打つような仕上がりに。
最終的に、熱の加え方をより均一にするため、時間と温度を調整しながら3度目の成形を実施。ようやく理想のフォルムが完成しました。この試行錯誤こそが、帽子作りの奥深さであり、一つひとつの製品に個性が生まれる理由でもあります。
4. 裏地・装飾の取り付け
帽子の内側には、汗止め(スベリ)を取り付け、かぶり心地を良くします。
5. 最終チェックと完成
最後に、形状や品質のチェックを行い、細かな修正を施して完成。
こうして、軽くてスタイリッシュなサーモハットが出来上がります。
サーモハットの魅力
サーモハットは、その軽さと通気性の良さから、春夏シーズンにぴったりの帽子です。
また、フォルムの自由度が高いため、クラシックなデザインからモダンなものまで幅広いスタイルに対応可能。
型崩れしにくく、長く愛用できる点も魅力の一つです。
ReqHatter(レックハッター)では、質の高い帽子作りを大切にしています。
サーモハットの製造においても、無駄を減らし、長く愛用できるデザインを心がけています。ぜひ、あなたにぴったりの一品を見つけてください!